今のご時世、「無駄を省く」とか「効率化」などの言葉を聞かない日はありません。かく言う私も生来ズボラなので、手間を省き時間を短縮する工夫が大好きです。でも気をつけないと、大切なものまで一緒に削られてしまうかもしれないと思うようになりました。
私は本を買うと裁断して画像として読み取り電子書籍にします。タブレット端末にはそんな本が500冊以上入っています。どこでも手軽に読むことができるし、書き込みもできるので便利なのですが、そのうち気づいたことがあります。紙の本を読むようには頭に入ってこないのです。私だけか? と思っていたのですが、実は表示する媒体によって、理解や記憶に影響があるという研究結果があるそうです。電子書籍は手軽だけど記憶に残らない。一長一短あるものです。
近年学校教育でもタブレットが普及しています。タブレットはすごく便利で、動画を見られ、学習アプリが動作するなど紙の教科書ではできないことがたくさんあります。しかし教材の全てをタブレットに置き換えてしまうと、問題が起こるかもしれませんね。
親戚や近所とのつきあいも、面倒なわりに必要性がなくなったからか、特にコロナの時期に削減されました。しかしひとたび疎遠になってしまうと、元にはもどりません。考えたくありませんが、将来において社会が不安定になったら、その時は地縁・血縁の関係が再び評価され、失ったものの大きさを後悔するかもしれませんね。
それともう一つ、宗教。生きていくための心の支えとなるものです。生きている限り決して省けるものではありません。