2025年8月のことば

私が苦手なあの人も きっと誰かに好かれてる

タブレットの壁紙にカエルの写真を使っていると、妻から「頼むからやめてほしい」と言われました。妻はカエルが苦手なので、チラッと目に入るだけでも不快になるのだそうです。片や私はゴキブリが苦手です。理由は子供の時に自分に向って飛んで来るゴキブリを見て恐怖を感じたからです。逆に妻はゴキブリへの苦手意識はないそうです。ものに対して抱く感情は、その人の経験や育った環境で違ってくるのですね。

私たちにはどうしても「苦手だな」「嫌いだな」と感じる人に出会うことがあります。その人の言葉や態度が自分に合わない、価値観が違う、傷つけられた──理由は様々です。若い頃は「言葉を尽くして話せば分かり合える」と思っていましたが、そもそもそんな人と冷静に話し合うこと自体ができないという現実を経験して、人間関係って難しいなと思っています。

でも、そんな「あの人」も、どこかで誰かに大切に思われているでしょう。家族に愛されていたり、友達に頼られていたり、動物に優しくしていたり。私にとっては嫌な存在でも、誰かにとってはかけがえのない人なのだと思います。

私たちは、それぞれ異なる「縁」によって結びついています。縁のあり方で、仲良くなることもあれば、すれ違うこともある。でも、その縁は絶対的なものではなく、変わることもあれば、学びの種になることもあります。

嫌いだと思っていた人の中に、ふとした瞬間に優しさを見つけることがあります。逆に、自分も誰かにとって「苦手な人」かもしれません。完全に好かれる人も、完全に嫌われる人もいない。それが人の世です。

自分の「嫌い」という気持ちをなくすことはできませんが、嫌いな理由を観察し、あの人の違う一面を想像すれば、少しだけ、心が静かになるのではないかと思います。