この和讃は親鸞聖人の著作『正像末和讃』の最初に置かれ、そしてその前にはこう書かれています。
- 康元2年、2月9日、午前4時ごろ、夢の中で次のようなお告げをいただいた -
何と、聖人は夢で「弥陀の本願を信じなさい」と言われたというのです。当時の夢は現代よりもはるかに神秘的な意味を持っていましたから、聖人は重く受け止めて、当時取り組んでいた書物全体を貫くテーマとしてこの和讃を先頭に持ってきたのでしょう。
康元2年というのは1257年で、聖人85歳、最晩年の頃でした。当時は天災や飢饉、そして伝染病によって多くの命が失われました。災異を払うため毎年のように改元され、康元という元号も2年で終わっています。
誰もが先の見えない不安な毎日を過ごし、心の支えを求める中で、聖人が説いた真宗の教えに出会えた人は、幸いにも弥陀の「摂取不捨」の誓いを知りました。
「おさめとって、決して見捨てない。」
何という力強い言葉でしょう。この誓いは、私の隣にそっと寄り添い、苦しみを一緒に歩んでくれるのです。その思いが、あまたの人を救います。
これまでも、これからも。


