2023年7月のことば

言えない悩みは仏壇に それを懴悔と申します

夫や妻にも打ち明けられない悩みって、誰にでもありますよね。私も誰にも言えない若い時の過ちで、今なお罪の意識に悶々とすることがあります。普段は意識の下に沈めているのですが、時折顔を出すのでその時は「わーっ!」と叫びたいほど心が乱れます。

打ち明けられないのは、このことを自分自身が許せないから。自分の中で終身刑が確定して服役しているようなものです。さらに悪いことには、当時に戻ってもう一度やり直せたとしても、状況が同じならばまた同じことをするだろうと思うのです。後悔はするものの結局は変われない自分です。仮に告白して他人がなぐさめてくれたとしても、罪が軽くなるわけではないとわかっているのです。

さるべき業縁のもよほさば
いかなるふるまひをもすべし(歎異抄)

こんな私には親鸞聖人の言葉が心に刺さります。いい人を装っていても、ひと皮めくれば心の中には深い闇。そのことを鋭く指摘される思いがします。しかし人間の本質を言い当てたこの言葉によって、慚愧(ざんき)の思いを抱えて生きる人にこそ、仏の教えが開かれていることに気づかされます。悪人を自覚した人こそが救いのめあてである。そう力強く宣言された浄土の教えが、言えない悩みとともに生きる私たちを照らしてくれるのです。